
「求人広告を出しても応募が集まらない…」「採用コストがかかりすぎて困っている」
そんな悩みを抱える不動産会社の採用担当者は少なくありません。近年では、InstagramやTikTok、X(旧Twitter)などのSNSを活用した採用活動=“SNS採用”が注目を集まっています。
とはいえ、「本当にSNSで求人の応募が来るの?」「不動産業界でも効果があるの?」と疑問を持つ方も多いはず。
この記事では、不動産会社がSNSで求人を出すメリット・効果・始め方のポイントを、採用初心者の方にもわかりやすく解説します。
1 不動産業界でもSNS採用が増えている理由とは?
近年、採用活動にSNSを活用する企業が急増しています。
その背景には、若年層の情報収集手段の変化があります。ある調査では、新卒・20代の多くが企業の情報をインターネット検索ではなく、SNSから得ていると回答しています。
つまり、求人媒体や採用ページだけでは、いまどきの求職者には届きにくくなっているのです。
不動産業界も例外ではありません。
とくに中小規模の企業では、
- 知名度が低く求人媒体で埋もれてしまう
- 採用ブランディングができていない
- コストに対して成果が見合わない
といった課題があるため、自社の“リアルな雰囲気”を伝えられるSNS採用が効果を発揮しやすい状況になっています。
1-1 SNS採用のメリットとは?
SNS採用には、求人広告にはない独自のメリットが数多くあります。
① コストを抑えられる
SNSは無料で投稿・運用ができるため、求人媒体のような掲載費がかかりません。運用を内製化すれば、コストはゼロで始めることも可能です。
② 認知度が低くても届く
SNSは「知っている会社」だけでなく、「偶然目に入った投稿」から興味を持ってもらうことができます。中小企業でも、写真や動画次第で注目され、採用につながるケースが増えています。
③ “企業の人柄”が伝わる
SNSでは、求人票やホームページだけでは分からない「社員の声」や「現場の雰囲気」などを日常的に発信できます。
たとえば「営業チームでのランチ風景」や「新人の1日密着」など、自然な様子を発信することで「ここなら働けそう!」と思ってもらいやすくなります。
④ 若手人材にリーチしやすい
10〜30代の多くが、日常的にSNSを使って情報収集をしています。
特にInstagramやTikTokは、会社選びの参考にされていることも多く、「会社名は知らなかったけど、投稿を見て気になった」という応募者も少なくありません。

1-2 実はSNSと相性がいい職種:SNS運用担当
補足的なポイントですが、SNSで求人を出すと、SNS運用担当者のような職種に応募が集まりやすいという特徴もあります。
その理由は、
- 求職者が日ごろからSNSを使いこなしている
- 自社アカウントの投稿を見て共感した人が応募してくれる
- 「自分ならもっと良くできるかも」と前向きに感じてもらえる
など、発信する→見つけてもらえる→応募される という自然な流れが起こるからです。
SNS運用を任せたいと考えている不動産会社は、まずSNSで発信を始めること自体が人材確保の一歩になる、という好循環を生み出せます。
2 SNS採用の始め方|まずは何をすればいい?
「興味はあるけど、何から始めればいいのかわからない」という方のために、SNS採用の導入ステップをわかりやすく紹介します。
ステップ① 採用目的とターゲットを明確に
まずは、何のためにSNS採用をやるのか目的を決めましょう。
- エントリー数を増やしたいのか
- 応募の質を上げたいのか
- 自社の認知度やイメージアップが目的なのか
この目的によって、使うSNSの種類・発信する内容・投稿頻度などが大きく変わります。
さらに、”どんな人に見てもらいたいか(ペルソナ)”を具体的にイメージすることも重要です。

ステップ② プラットフォームを選ぶ
SNSと一口に言っても、それぞれユーザー層や特徴が違います。

迷ったら、まずはInstagramから始めるのが無難です。視覚的に伝えやすく、投稿の自由度も高いためです。
ステップ③ コンテンツの準備と投稿計画
始める前に、投稿ネタのストックをある程度用意しておくのがおすすめです。
- 社員インタビュー(なぜ入社したか、働いて感じたこと)
- 働く一日の流れ
- 社内イベントや研修の様子
- 募集職種の紹介
- 採用に関するQ&A(福利厚生、選考の流れなど)
無理のない頻度(例:週1〜2回)から投稿し、継続できる体制を作ることが大切です。
3 SNS採用でやってはいけない3つの失敗
SNS採用は自由度が高い分、失敗のパターンもあります。よくある注意点を知っておくことで、効果的な運用ができます。
① 発信が止まってしまう
一番多いのが「最初だけ投稿して、すぐ更新が止まる」というケースです。
SNSは継続的に発信することで信頼や共感が積み重なるメディア。止まった瞬間、応募者に「不安」「放置感」を与えてしまうことも。
→ 無理のない投稿計画と、投稿を担当するスタッフの分担が必要です。
② 投稿内容が“ただの求人票”
SNSでは「誰が、どんな気持ちで、どんな職場で働いているか」が伝わることが重要。
職務内容や条件だけの投稿では、他社との差別化はできません。
→ 働く人の想いや“らしさ”がにじむコンテンツを意識しましょう。
③ 採用ページへの導線がない
せっかく興味を持ってもらっても、応募にたどり着くリンクがなければ意味がありません。
→ 投稿のプロフィール欄やストーリーズに採用ページへのリンクを明記しておくことが重要です。
まとめ|まずは「伝える」ことから始めよう
SNS採用は、これからの採用活動において欠かせない手段の一つです。特に中小規模の不動産会社こそ、SNSを活用することで“会社の魅力”をコストを抑えつつ伝えられる可能性があります。
そして補足ですが、SNSで採用を始めることで、SNS運用職のようなクリエイティブな人材とも自然に出会えるようになります。投稿を見て「この会社で働いてみたい」と思ってもらえることは、求人票だけでは得られない大きな価値です。
まずは1つ投稿してみるところから。“伝える”ことが、“共感される採用”への第一歩です。